手土産の「渡し方」と紙袋の扱い

せっかくのお土産だから、渡し方にも気を配りましょう。渡すときのマナー、紙袋の扱い方、「つまらないものですが」の本当の意味やおすすめの言葉をご紹介します。

 

渡すときにも気配りを

手土産はおつきあいの潤滑油。あれこれと品物選びには悩むけれど、渡し方にも気を配っていますか?渡し方ひとつで品物もあなたの品格も上がるので、マナーを押さえておきましょう。


選び抜いたお土産ですもの、最後まで気配りをして渡しましょう。
 

渡すタイミング ~いつ・どこで渡すの?

<基本>
手土産は正式な挨拶が済んでから渡すもの。お部屋に入ってきちんとご挨拶してから渡しましょう。

<こんな時は…>
・生鮮食料品やアイスのように早く冷蔵庫に入れたほうがいいものは、その旨ひとこと添えて、玄関で渡します。
・生花は「よろしければお部屋に飾ってください」とひとこと添えて玄関で渡したほうがスマート。
・ホームパーティーのように複数で訪問する場合には、手ぶらで来た方に配慮して、その方がばつが悪くならない絶妙のタイミングで渡す気配りが大切です。
・お部屋に入らず失礼する場合には、玄関で構いません。


生花は鮮度が大切ですし、水気があるのでお部屋まで持ち込まないほうがいい。そのまま飾れるアレンジメントも喜ばれます。
 

渡し方 ~紙袋の扱いは?

多くの場合、品物を紙袋に入れて持参しますが、紙袋のまま差し出していいのでしょうか?答えはNO。紙袋は持ち運ぶときのほこりよけでもあるため、そのままお渡しするのは失礼だからです。風呂敷も同様です。


紙袋はほこりよけでもある…それをわきまえていれば、どんなシーンでも対応できます。
 

<渡し方>
紙袋から取り出し、いったん正面を自分のほうに向けて置き(ここでお渡しする品物に粗相はないかチェックします)、まず時計まわりに90度、さらに90度回して相手に正面を向けて差し出します。お渡しする際の言葉については次のページで説明します。

<紙袋の扱い>
基本的には品物を取り出した直後にさっとたたみますが、立って渡すときのように品物を置く場所がなければ、品物を渡した後にたたみます。

不要になった紙袋は持ち帰るのが基本ですが、親しい間柄なら処分をお願いしても構いません。また、素敵なデザインの紙袋は置いてきたほうが喜ばれることも多いので、「恐れ入りますが、袋の処分をお願いしても宜しいでしょうか」とお詫びしながらお渡しすると良いでしょう。

<こんな時は…>
外出先で渡す場合や急いでいるとき、ビジネスシーンでは、紙袋のままお渡ししたほうが良い場合があります。そんな時は、紙袋の下と取っ手の付け根あたりに手を添えて、相手が受取りやすいようにさし出し、「紙袋のまま失礼いたします」と言って渡しましょう。

 

「つまらないものですが」の真意

お渡しする際の決まり文句として「つまらないものですが」と言いますが、懸命に選んだ品なのに、どうしてそんなことを言うのでしょう?

かの有名な新渡戸稲造著『武士道』では、本来「つまらないものですが」という言葉には、自分なりに誠意をもって選んだ品ですが、立派なあなたの前ではつまらないものに思えますという謙遜の意があると解説しています。また、日本人は最上の贈り物でもあなたにふさわしいと言えば相手の品格を傷つけ侮辱になると捉えて品物の値打ちを軽くいい、アメリカ人はよくない品物を差し上げることはあなたを侮辱することになると捉えるため品物をほめそやす、と説いています。
※『武士道』 著:新渡戸稲造、訳・解説:奈良本辰也(三笠書房)


「つまらないものですが」に、日本人の礼儀作法の感覚があらわれています。
 

添える言葉

つまり、「つまらないもの」を差し上げるのではなく相手の素晴らしさを表現している言葉なのですが、その真意を誤解している方も多く、つまらないものをくれるなんて失礼だと思われたり、そんなにへりくだる必要はないという意見が多くなりました。

それに代わる言葉として、「お口に合うかどうかわかりませんが」「お気に召すと嬉しいのですが」「心ばかりですが」「評判のお菓子と聞きましたので」などが定着しつつあります。


自分らしい言葉を添えてみてはいかがでしょう。
 

「つまらないものですが」の真意が伝わらないのは残念ですが、相手の気持ちをおもんぱかり謙遜しているのは昔も今も変わらぬスタンス。相手に喜んでもらいたいという気持ちを素直に表現したほうが素敵ですし、そこから話題が広がって和やかな雰囲気になるのなら、上記のような自分らしい言葉のほうがマッチすると思います。もちろん、恩着せがましく薀蓄を述べたりしてはいけません。

こうしてみると、手土産の渡し方ひとつにも贈り手の“こころ”が表れるのがわかります。その人のためにあれこれ悩んで選んだ品だからこそ、こころを込めてお渡ししたいものですね。

 

(執筆者:三浦 康子)

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